エレベーター
安全安心
戸開走行保護装置の設置
今までの安全装置では防ぎきれない重大故障により、エレベーターの戸が開いたまま走行してしまう「戸開走行」。はさまれ事故など人命に関わる重大事故を防止するために法改正が行われました。
駆動装置故障対応としてブレーキの二重化と、制御器故障対応として戸開走行を検出してエレベーターを制止する安全回路を別回路とした「戸開走行保護装置」の設置が、2009年9月28日以降設置のエレベーターから義務付けられています。
戸開走行保護のアウトライン
はさまれ防止のクリアランスとして、上昇時では戸が開いた状態でかご室の床からのりばの戸上部が1,000mm、下降時でのりばのしきいからかご室の戸上部との間が1,000mmを下回ることがないように制止しなければなりません。また、転落事故防止のため上昇時、のりばのしきいとかご室のすき間が110mm以上にならないよう制御します。
ドア周りの安全対策
お知らせドアセンサー
ドアの開き始めにかご幕板へ組み込まれたセンサーが障害物を感知すると、戸袋に手を引き込まれないようにアナウンスし、ドアをゆっくり開きます。
お知らせドアサイン
ドアの開閉時に、かご幕板へ設けられたドアサインが点滅し、チャイムを鳴らして利用者に注意を促し、乗り降りの時、事故が起こらないようにします。
戸閉ブザー
ドアが閉まる前にブザーで利用者に注意を促し、エレベーターのドアによるはさまれ事故を防止します。
ドア過負荷検出装置
ドア開閉中に一定以上の負荷がかかった場合、ドアは反転動作します。
お知らせドアビーム
のりば付近の人や物などを検知して、閉じかけたドアを開きます。乗り降りが混雑している場合や、急な乗込み時の挟まれを未然に防ぎます。また、荷物を持って乗り込んだり、ベビーカーを押したりしての乗車の場合に安心です。
ドアセフティ
多光軸(マルチビーム)ドアセフティ
出入口に組み込まれた光線(赤外線センサー)が、多角的に利用者を感知すると、閉まりかけたドアが開きます。光線のピッチが細かいため、お子さまでも感知できます。
光電管式ドアセフティ
赤外線センサーが利用者を検知し、ドアが閉まりかけていてもすばやく開いて、はさまれ事故を防止。お年寄りや車いすの方の乗り降り、荷物の運搬などにも便利な機能です。
機械式ドアセフティ(両側)
ドアパネルに取り付けられた機械式のスイッチが押されると、閉まりかけていたドアが開き、はさまれることなく乗り降りができるようにします。ドアの両側に設けることにより、より有効となります。
しきい間すきまレス
エレベーターとのりばの「すきま」をふさぎ、安心して乗り降りでき「すきま」に物を落とす心配を減らします。
広角ミラー
広角ミラー付操作盤
操作盤の前に立った時に振り向かずにかご内の様子が見渡せます。
〈効果〉
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- 知らない人と相乗りした場合、さりげなく背後を確認できるので、不安を軽減できます。
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- 乗り降りの際、エレベーター後方から降りる方への気くばりにも活用できます。
広角ミラー付三方枠(大枠)
操作盤の前に立った時にのりば付近の様子が見渡せます。
〈効果〉
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- 乗り遅れ等による、はさまれ事故を防止します。
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- 乗り残しのないように気くばりにも活用でき、効率の良い運転を目指します。
ミラーにはコミー社の広角ミラーを採用しました。平面状の広角ミラーで、意匠面から突出することなく、広い視野角を確保できます。
フェッシャープレート(法令工事)
かご内に閉じ込められた利用者が、脱出しようとかごの戸を開けてしまった場合でも、かご床先と昇降路壁との隙間から昇降路内へ転落することを防ぐためのものです。かごの床先と昇降路壁との間が125mmを超えるエレベーターには取り付けが必要とされています。