大容量高速エレベーター
大容量エレベーターがダイナミックな交通を実現
近年、建築技術の進化につれて高層ビルの建設が活発に進められています。ビルの高層化に伴い、エレベーターに対して、一度により多くの利用者を目的階に移動させるための大容量・高速化へのニーズが高まっています。
泉ガーデンタワー
六本木ヒルズ
TAIPEI101
東芝エレベータでは輸送能力を確保するため、2001年東京六本木の泉ガーデン( 75人乗り/速度240m/min )、2003年六本木ヒルズのダブルデッキエレベーターなど市場のニーズに適応してきました。
また2004年台湾のTAIPEI101に、定格速度1,010m/minという当時世界最速のエレベーターを納入しました。
しかし、これ以上の高速化は限界に近づいていると考えられ、さらなる高速化かつ大容量化へのニースに応えるかたちで、東京スカイツリー、上海環球金融中心などを納入。
2016年に開業した東京のSumitomo Fudosan Roppongi Grand Towerに、日本最大の定員となる90人乗りで、300m/minの超大容量・高速エレベーターを納入しました。
この超大容量・高速エレベーターは、ステーションロビーがある1階、アトリウムロビーがある4階、スカイロビーがある29階を高速で往復するシャトルエレベーターで、利用者は各ロビー階からローカルエレベーターに乗り換えることで目的階へと効率的に移動することができます。
住友不動産六本木グランドタワー
大容量・高速シャトルエレベーターを活用した、高層ビル内での移動
シャトルエレベーターはロビー階を高速で往復します。目的階へは、ロビー階でローカルエレベーターに乗り換えて移動。大容量・高速シャトルエレベーターとローカルエレベーターを連携させることで、高層ビル内での効率的な移動を実現します。
ダブルデッキエレベーターを活用した、高層ビル内での移動
ダブルデッキエレベーターは、ひとつの昇降路に、かご室が縦に2つ配置されています。
シングルデッキより多くの利用者を輸送でき、2台分がひとつの昇降路内に納まるので、輸送効率の向上と省スペース化を実現。在館者が多い大規模高層ビルなどに対して最適な移動空間をお届けします。
大容量&高速輸送を実現する技術
-
巻上機およびブレーキ
-
超大容量シャトルエレベーターは、高出力永久磁石同期モーター(PMSM)に加えて2系統の巻線を備えた大容量巻上機を採用しています。また、1個当たりのブレーキが数十kgと小型なものを複数使用したキャリパー式電磁ブレーキを採用することで、巻上機の小型・軽量化とメンテナンス性の向上を実現しています。
安全装置
-
大容量・高速のかごを非常時にも安全に停止させるため、かごの上下に非常止め装置を設置する(一般的なエレベーターは、かごの下部のみ)、ダブル・セフティ方式を採用しています。これにより、非常止め装置のサイズを大きくせずに約2倍の制動力を確保しています。
納入事例
-
大容量・高速シャトルエレベーター(オフィス)
-
エレベーターの大容量化が進むにつれて、乗客が乗るかごも大きくなるとともに重くなります。
ハニカムコアから成るハニカム床パネルを採用することで、高い剛性を維持しながら、かご全体の軽量化を実現し、巻上機への負荷を軽減しています。鉄製の床パネルの場合に比べて1/5の軽量化(当社比)を実現しました。
90人乗り/速度300m/min/4台(展望用)/2016年
75人乗り/速度240m/min /4台(展望用2台)/2002年
-
階間調整機能付きダブルデッキエレベーター
-
かごを2階建てにすることで、ピーク時の輸送能力が約1.9倍となる。
階間調整機能によりサービス階の階高が異っても対応可能。