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分速1,010mへの挑戦!

世界最高速クラスエレベーター

大容量高速エレベーター

「世界最高速クラス」と「快適性」の両立への挑戦
ストレスフリーのエレベーターを目指して

東芝エレベータ株式会社は、世界最高速クラスとなる分速1,010m(時速60.6km※2004年当時世界最高速)のエレベーターを開発、台湾・台北市の世界最高層ビル「TAIPEI 101」に納入しました(2004年12月完成)。
このエレベーターはギネス社により「世界最高速(2004年当時)のエレベーター」として認定されました。
世界最高速クラスエレベーターは多くの課題への挑戦でした。ここではこれら多様な課題を解決し、世界最高速クラスのエレベーターを実現した先進技術の一端をご紹介します。

世界最高速クラスを支える技術

これまでの世界最高速エレベーター(2004年当時)は、横浜ランドマークタワーにある分速750m。
この記録を大きく塗り替える分速1,010m実現のために、より強力で、またより緻密な制御機能を持つ駆動システムが求められました。

巻上機

二重巻線形の永久磁石同期電動機を使用。定格:168kW/24人搭乗のエレベーターとしては大容量のパワーを誇る高速巻上機を開発しました。
また振動を建屋に伝えないために設置部に板状のゴムをはさむなど、高出力でありながら、静かな巻上機を実現しました。
巻上機

定格出力:168kw(最大1,186Kw)
質量:13,600kg
外形:2310W×1950L×1778H

巻上機

快適性を支える技術

エレベーターの高速化は必然的に、振動や騒音の増加を伴います。
快適な移動空間実現のうえで妨げとなるこれらをどのように解決するか。かご室の形状の検討や気圧制御システムなど、様々な新技術が「立案」「解析」「シミュレーション」「検証」のステップを経て開発されました。

気圧変化への対応 世界初気圧制御システム

地上1階と89階/高低差382.2mの気圧差は約48hPa。高速走行時の急激な気圧変化は「耳づまり」等の不快な現象を起こす場合があります。気密性の保持とともに、今回開発された最新の気圧制御システムでは給気と排気の二つのブロアにより、かご室内の気圧の変化率が一定に上昇するように制御することが可能となりました。
気圧変化への対応 世界初※気圧制御システム

振動の低減 アクティブ制振装置(アクティブマスダンパ)

高速走行や2台のエレベーターがすれちがう際に生じる振動を、かご室のセンサが感知し、おもりをかご室の揺れと反対方向に移動させることで、振動を吸収する制振装置を開発/搭載しました。
振動の低減 アクティブ制振装置(アクティブマスダンパ)
振動の低減 アクティブ制振装置(アクティブマスダンパ)

騒音の低減 整風カプセル

狭い昇降路内をかご室が高速で走行することから生じる「風切り音」。この「風切り音」低減のために、昇降路内の空気とカプセル表面の圧力を解析し最適形状を考察、流線型のかご室を採用。また構造上どうしても密閉度が低いかご室ドア側は、カプセルにスポイラ(羽状の構造)をとりつけ空気の流れを横と背面に逃がすようにして整流化を実現しています。
騒音の低減 整風カプセル

振動の低減 新型ローラーガイド

エレベーターの安定走行を支えるローラーガイドの構造を、振動を吸収するように改良しました。
振動の低減 新型ローラーガイド

安全性を支える技術

万一の非常時への備えとして特に地震や強風への対策を強化しました。
世界最高速クラスエレベーターに相応しい大きな安心を載せるために、様々な配慮と新技術が採用されています。

ガバナ

構造を従来より簡素化・小型化し、動作の安定性を向上させました。
ガバナ

非常止め装置

非常止め装置
異常な加速度を検知した場合、安全のため、ガイドレールをはさんでかごを静止させます。分速1,300mで落下する23トンの重量を停止させるために摩擦によって発生する高温に耐えられるセラミックシューを新規開発し、採用しています。

バッファ(油圧緩衝器)

全長約10mの油圧式の油圧緩衝器を昇降路の底部に設置。ピットを深くすると高コストにつながるため、スペースを有効に活用できる3段テレスコピック構造を採用し、11トンの衝撃に耐えるよう設計されています。
非常止め装置

ロープ制振装置

強風時のビルのゆれによって加振されるロープの横振動解析をもとに、機器とのからまり、衝突防止する装置を搭載しています。

ガバナ 非常止め装置/バッファ
地震と強風への対策

●地震時管制運転

地震時管制運転は、地震により生じた揺れでロープなどによるエレベーター機器の損傷を防止するため、エレベーターを最寄階に停止させます。

●強風災害時管制運転

強風災害時管制運転は、強風によるビル全体の揺れで生じたロープの揺れで、エレベーターの機器を損傷することを防止するため、エレベーターの速度を遅くさせるか、最寄階に停止させます。