画像提供:株式会社ピックルボールワン
編集:有限会社バース
今回のテーマは、近年注目のラケットスポーツ「ピックルボール」。年々人気が高まり、競技人口も増えてきています。そこで、普及の背景や今後の展望などを株式会社ピックルボールワン代表の熊倉周作さんに、また世界での状況などを日本ピックルボール連盟公認コーチの藤原智仁さんに教えていただきました。さらに、コートの予約や練習の支援を有志で行うJHPA(ジャパンハワイピックルボールアソシエーション)港2共同代表の小林和美さんに、ピックルボールの魅力についてお話を伺いました。
まずお話を伺ったのは、
株式会社ピックルボールワン|代表
熊倉周作さん Shusaku Kumakura
Profile
1992年大分県生まれ。明治大学/グロービス経営大学院卒。野村證券勤務後、資産管理会社にてベンチャー投資や経営管理支援に従事。2023年7月、グロービス経営大学院の同期とともに当社を共同創業。
株式会社ピックルボールワン https://pickle-one.com/
コート・店舗運営事業、商品販売事業、専門メディアの運用、ピックルボールの大会やイベントの運営などの複数のピックルボール関連事業を展開する日本最大級のピックルボール総合企業。ピックルボール産業のEnablerをビジョンに掲げ、事業を展開している。
商品販売サイトはこちら https://pickleball-jpn.shop/
●近年、爆発的な広がりを見せるピックルボールの背景や歴史などを伺えますか。
ピックルボールはアメリカ・シアトルで1965年に生まれたラケットスポーツです。2015年に当時、全米チャンピオンだったダニエル・ムーア氏によって日本に持ち込まれました。日本で生まれ育った彼は、学生時代を過ごしたアメリカでピックルボールと出合い、日本に戻って彼の地元である東京で普及を始めました。コロナ禍でコミュニケーションが遮断されると、人々の「誰かと触れ合いたい」という欲求が高まったのか、その後じわじわと認知され始め、この数年で競技人口が急激に増えました。この伸びは、発祥地のアメリカや他の国でも同様で、爆発的な普及のきっかけはやはりコロナ禍が背景にあると推測されます。ピックルボールのコートがバドミントンとほぼ同じサイズで、公共体育館を使用することで始めやすい点や、ネットを挟んで程よい距離が取れることも普及に一役買っていると考えられます。
●ピックルボール関連の事業を始めた経緯や事業内容を教えてください。
前職の資産管理会社で、ベンチャー投資関連の仕事をさせてもらった経験などを生かし、2023年7月にテニス支援のWebサイトなどを制作する会社を仲間と共同創業しました。その直後にピックルボールと出合ったことで、まだ日本でサポートなどを行う事業がなかったことや、私自身が学生時代にテニスに打ち込んでいたという親和性もあって、ピックルボール関連事業に特化するようになりました。今は、ピックルボールの普及で関連産業に貢献しようと、コートを増やす事業や、商品の販売、大会の運営サポートなど幅広く事業を展開しています。
●これから始めたい方向けに、簡単なルールや始め方を教えていただけますか?
ピックルボールは卓球のラケットが大きくなったようなパドルを使い、卓球のボールよりも大きいプラスチック製の穴あきボールを打つラケットスポーツです。テニスと同様にダブルスとシングルがあり、ダブルスの場合でもネットプレーが多く、羽子板にも似ているといわれます。
詳しいルール解説とプレー方法については、以下のサイトで紹介していますので、ご確認ください。
https://pickle-one.com/basic/rule/
また、練習場所などをお探しの場合は、以下のサイトでも紹介していますので、探してみてください。
https://pickle-one.com/events/
画像提供:株式会社ピックルボールワン
●今後の展望や課題について教えてください。
ピックルボールは、ソーシャルゲームのフィジカル版のような要素もあり、単なるスポーツだけでなくコミュニティーが育つ場でもあります。運動、ゲーム、仲間づくりなど、ピックルボールの楽しみ方は人それぞれに見つけることができます。世界の市場規模は2025年時点で17億6000万ドル、2035年までには48億8000万ドルに達するとの予測も出ています。国内の認知度はまだ約13%ですので、競技人口の伸びに対応できるだけの設備やサポート体制が必要となります。日本のピックルボール産業の発展や新しいスポーツ文化の成長を、賛同していただける皆さんと共に実現していきたいと思っています。
世界の状況についてお話を伺ったのは、
日本ピックルボール連盟(JPA)公認コーチ
ピックルボールワン推奨コーチ
藤原智仁さん(通称:TOMO)
Profile
2001年高知県生まれ。中学・高校時代はサッカーに打ち込み、大学でピックルボールに出合う。大学卒業後、地元の小学校の教師になるも、ピックルボールの実力を試すために上京。国内外のさまざまな大会に出場しながら、ピックルボールの裾野を広げるべく各地で指導を行っている。
●ピックルボールとの出合いから今に至る経緯など教えてください。
中高時代にサッカーをやって大学でも続けていたんですが、先輩に誘われてピックルボールのサークルに入ったんです。それでちょっとした大会に出るうちに、プロとして戦ってみたいと考えるようになりました。親との約束で一旦は教師の道に進みましたが、30歳くらいまでは違うことを経験してみたいと、2025年に教師を辞めて上京し、いろんな人のつてもあってJPAの公認コーチになりました。今は月1回くらいのペースで海外の大会にエントリーしながら、日本各地で指導も行っています。
●世界のピックルボールの状況は?
特にアジアはピックル熱が高く、行くたびに屋外コートが増えていて、さらにどんどん建設されています。1ブロックに一個といってもいいくらい、街のあちこちにあるイメージです。世界規模の大会でアジア勢は毎回上位に入りますし、ベトナムなどは国を挙げて取り組んでいます。
●大会の種類やエントリーの仕方などはどうされているんですか?
大会には大きく、賞金が出る「プロ」か、賞金が出ない「スキル」という2つのカテゴリーがあります。どちらでもエントリーは可能ですが、全てはDUPR(デューパー)というレーティングシステムでレベル分けされ、デューパー順で足切りされることもありますし、試合も基本的には同じデューパー同士で競います。勝ち進むとデューパーが上がる仕組みです。
●ピックルボールの面白さはどういうところでしょう。
卓球やバドミントン、テニスなどと同じラケットスポーツで、それほどハードルも高くなく、気軽に始められますし、レジャーとして楽しみながらやっても、結構いい運動になるところもいいですよ。それから、パドルが小さくて持ち歩けます。自分は旅行の時も持参して、行った先でコートを探したりしています。最近は海外からの旅行者でもそういう方が増えています。旅行や出張先でちょっと運動したい時、ジョギングやジムで汗を流すのと同じような感じですよね。コートも各地に増えていますし、ぜひ探してみるといいと思います。
活動支援についてお話を伺ったのは、
JHPA ジャパンハワイピックルボールアソシエーション
港2 オーガナイザー
小林和美さん Kazumi Kobayashi
今から2年ほど前、通っているフィットネスクラブで友人から声をかけられたのが最初です。体験したらとにかく楽しくて、もっとプレーするためにはどうしたらいいのか調べたところ、地域で団体登録すると公共の体育館などを借りられることが分かり、友人と団体を作りました。当時はまだ知っている人もプレーできる場所も少なかったので、人も集まらず、持ち出しも多く苦労の連続でした。そこで、会う人会う人に「ピックルやらない?面白いよ!」と声をかけ始め、仲間を増やしていきました。誘った方たちも、私と同じようにハマってしまい、また誰かを誘っていただき、どんどん仲間が増えていきました。今ではJHPAの港1という組織の協力を得て、港2のオーガナイザーをさせていただき、メンバーも700人ほどに増え、練習枠もすぐに埋まるほどの人気です。ピックルボールの良さは、小学生からご高齢の方まで手軽にできること。それも、屋内施設が多く、全天候型で快適です。日常生活では知り合うことのなかったはずの人と知り合えたり、家族ぐるみで付き合える仲間もできました。みんなで思い切り汗をかいて、楽しくリフレッシュしています。
- ウォーミングアップは念入りに
- 準備運動で体が動きやすい状態をつくり、ケガを予防しましょう。
- コートの安全を確認
- 床がすべりやすくないか、照明の反射がないかなど、プレー前に確認しましょう。
- 保護メガネの着用
- 万が一、ボールが目にあたると網膜剥離や眼球破裂につながる恐れもあるため、保護メガネの着用もおすすめです。

