しーさー文房具さん
profile●2000年愛知県出身。中学3年生の時に文房具に魅せられて、文房具を紹介するYouTubeチャンネル「しーさー文房具ch」を開設。現在、チャンネル登録者数100万人を超えるYouTuber。自社ブランド「SEASAR」の代表として、ご自身が追求するこだわりのシャープペンシルを中心に製造販売も行っている。
・YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@seasar04
・SEASAR公式サイト:https://seasar-official.shop
── 早速ですが…、何とお呼びすればいいでしょうか?
本名も顔も出していないので、“しーさー”で大丈夫です。この名前の由来は本当にしょうもないんですが、家族旅行で沖縄に行った時、シーサーの小さな置き物を買ったのをきっかけに集め始めて…その頃から収集癖があったのかな(笑)。YouTubeを始めたのが中学生の時だったので、本名以外で何にしようと思った時、たまたま机の上にシーサーがたくさんあって、そこから取りました。
── そうだったんですね。YouTubeを始めたきっかけはなんだったのでしょうか?
中学3年生の春に、好きなYouTuberで文房具好きの方が、ぺんてるの「スマッシュ」というシャープペンを紹介されていたのを観て欲しくなって、父に頼んで買ってもらったんです。それまで使っていた400円くらいのシャープペンと違って、当時1,000円というだけあって、やっぱり作り込みも違うし、安定感もあって書きやすく、満足度がすごく高くて衝撃を受けました。その年の夏、デジカメやスマホを持っていなかったので、ゲーム機に付いていたカメラで、書き心地とかを動画で撮影してYouTubeにアップしたんです。そこからもっと違う商品を試したくなって、お小遣いやお年玉を貯めてはシャープペンを買ううちに、どんどんハマっていきました。片道2時間自転車を漕いで、大きな文房具屋さんまで買いに行っては、手に入れた商品を見ながらニヤニヤしていましたね(笑)。使うのが楽しくてどんどん書いているうちに、次第に机に向かう時間が長くなって、気付くと勉強も好きになっていました。
── 実は、私も中学生の息子から筆記具をねだられたのですが、しーさーさんの影響だったようです。ただ、以前ならよく買い替えていましたが、今は「口金が壊れたから部品を買って」と、大事に使っていますね。
そうなんですね(笑)。写真を拝見したら、いいシャープペンが揃っていますね。このペンケースも僕のコラボ商品なんですが、すごくきれいに仕舞ってあって嬉しいです。僕は自分が好きなものを追求して調べたり作ったりして発信していますが、自分もそうだったように、子どもは観るとすぐ欲しくなるので、親御さんが困惑される気持ちも理解できます。一方で、「子どもがすごくハマっていて、親としてはよく分からないけれど、買ってあげたら机に向かうようになって、ありがとうございます」みたいな声もいただきます。それぞれのご家庭の考え方もあると思いますし、単純に高いからいいわけではないと僕は思っています。実際、僕が最初に衝撃を受けた「スマッシュ」は、今も販売していて売れ続けていますし、高価でなくとも良い商品はさまざまありますし、もし、僕が紹介したものを気に入ってもらえて、長く大切に使おうという気持ちに結びついているのなら、とても良かったなと思います。
── 少し高価な筆記具を購入する際の注意点はありますか?
できるだけ実物を試したほうがいいですね。値段の高い商品はちょっと重くて使いづらかったりしますし、手の大きさや持ち方などで使い心地は皆さん違います。また、学生の場合、あまりに重いとテストを受ける際などは、早く書けなかったりして不都合があるかもしれません。僕も学生時代はテストの時はできるだけ軽くて早く書ける商品を使って、リラックスしたい時にお気に入りをたっぷり満喫するといった具合に使い分けていました。
── しーさーさんが、特に好きな文房具はなんですか?
やっぱりシャープペンだと思います。ボールペンも好きですが、シャープペンを使う機会が一番多いのかな。タブレットやPCに取って代わられる時代ではありますが、シャープペンだと何か思いついて書き留めたい時にすぐに書けますし、電源を付けてアプリを起動する必要もありません。だから僕は、シャープペンと一緒に必ずA4のコピー用紙を机周りやバッグの中に入れています。今やらなきゃいけないことがすぐできますし、紙は正直安いです(笑)。それから、やっぱり書くことが好きなんだと思います。書いている時が楽しいですし、書き留めたアイデアをどんどんカタチにしていく過程も楽しい。あと機能的なことでいうと、シャープペンのメカメカしさが好きなんです。ノックしたらカチカチというあの感じが魅力ですね。そして、重たくなればなるほど、作りがしっかりすればするほど、机からコツコツコツコツと音が伝わってくる。その手応えみたいなものが結構好きで、ここにはこだわっていますね。
野原工芸の欅のシャープペンシルは、しーさーさんお気に入りの一本。
ブランドでいうと、もちろん自社ブランド「SEASAR」もありますが(笑)、ボールペンだと皆さんも使ったことがあると思いますが、大人気の三菱鉛筆の「ジェットストリーム」とかを使いますし、シャープペンなら、ぺんてるの「オレンズネロ」はいいですね。書き始めに一度ノックすれば、芯が減るたびに先端の金属パイプが沈み、ペンを紙から離すとパイプと一緒に芯が自動で繰り出される。だからノックをせずに書き続けられる「自動芯出し機構」が魅力なんです。それから、野原工芸の「木のシャープペンシル」は無垢材を使用し、その経年変化をメンテナンスしながら楽しむという趣味の域では贅沢なシャープペンシルで、「育てる筆記具」ともいわれています。
── ビジネスシーンでのおすすめなどありますか?
僕は仕事でもいつもカジュアルなファッションですが、例えば、クルマを買おうとか契約事の場で、相手の筆記具は気になりますよね。向き合う相手への礼儀みたいなこともあるのかと思いますので、書きやすいもので、いろんなシーンに合わせられるものを持っていると万能なんじゃないかと思います。
しーさーさんのこだわりの詰まった、SEASARのシャープペン「Aero剛性感MAX」(左)と「GRAVIUM 実用性MAX」(右)。
── しーさーさんが展開する自社ブランド「SEASAR」についても教えてください。
あくまで僕のこだわりの詰まったアイテムですが、コンセプトがちょっと違うシャープペンを2種類作っています。主軸は、重厚感のある書き味とデザインや質感にこだわった高級版の「Aero剛性感MAX」と、重たいのに軽快に書けるという相反する特性を融合させた「GRAVIUM 実用性MAX」です。中に真鍮の重りを忍ばせてあって、ペンシル業界でここまでこだわりの詰まった品は他にはないんじゃないかって自負しています。
── 重くて硬いと芯が折れやすい気がしますが、何か対処法はありますか?
実は、重いから折れやすくなる、というわけでもないんです。実際に書く時は、ペンの重さに加えて自分の筆圧も乗ってきますから。とはいえ、軽いペンよりは芯に負荷がかかりやすいのも事実なので、ペンの自重に任せて筆圧を少し弱めにして書くといいですね。それでも折れるようなら、芯を硬めのものに変えるのも手です。HBで折れやすければHにしてみる、といった具合に。あとはメーカーによって芯の強度がかなり違うので、そこも大きいです。僕はぺんてるの芯が気に入っています。好きな筆記具を使うことで、書くことや机に向かうことが楽しくなったりして、仕事や勉強にも弾みがつくといいですね。そんな前向きな気持ちを応援したいなと思っています。
KOKUYOハサミ 「サクサ」
(ハイブリッドアーチ刃)
薄いフィルムなどもよく切れ、刃先まで軽い切れ味で、両利きに対応するという、前編でお話を伺った“文具王”高畑さんも推奨するこのハサミ。さまざまなシリーズがあるが、中でもガムテープなどを切る際に糊が付きにくい「グルーレスタイプ」は、「日本文具大賞2025グランプリ」を受賞。
PILOT 蛍光ペン「KIRE-NA(キレーナ)」
こちらも、高畑さんおすすめの蛍光色マーカー。速乾インキの採用で、下に書いたものが滲まず汚れにくい。しかも芯の端に付いているガイドと、マーカーの芯が適度にしなることによって、線がまっすぐきれいに引けると評判だ。太字と細字のツインタイプで便利。
レターブック(バイインターナショナル)・
ブロックメモ(外山康雄)
手紙を送る機会は減っているかもしれないが、ちょっとした使い物やお礼の際に、一筆添えるのに常備しておくと便利なのが便箋やメモ帳だ。季節を選ぶ柄もあるため、季節感のないレターブックや、逆に季節折々の絵柄を集めたメモ帳などは重宝するはず。

