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ニュースリリース

2007-04-27

携帯電話を活用した昇降機保守支援システムの開発について
広域災害発生時や故障発生時の迅速な復旧対応を支援

エレベーター サービス デジタル/AI 保守 安全 安心 投資 新商品/新機能 自動化 遠隔技術

 当社(社長:下野政之、本社:東京都品川区)は、地震・水害等の広域災害発生時や突発的な故障発生時の迅速な昇降機の復旧対応、さらにはメンテナンスの効率向上を図り高品質なサービスをお客さまに提供するため、先進技術を駆使した高度な保守ツールとして携帯電話を活用した昇降機保守支援システムを開発、本日より本格的に運用を開始します。

【背 景】
 昨今、マンションやオフィスビル、駅舎や商業施設などにおいて、縦の交通機関として社会インフラを支える昇降機設備に対する所有者および管理者、利用者からの安全・安心・快適についての意識は高まっており、高水準かつ高品質な製品およびサービスの提供が求められています。一方、首都直下地震をはじめ、東海・東南海・南海地震の発生が懸念されるなか、地震災害発生時の早期復旧のための仕組みづくりや対応プロセスの改革が今まで以上に必要に迫られています。
 こうした中で、当社は広域災害発生時や故障発生時の迅速な復旧対応の強化および昇降機のメンテナンス効率の向上を図るため、近年一層の高度化を遂げている携帯電話を活用した昇降機保守支援システムを開発しました。

【新システムの主な特長】
1.広域災害発生時の迅速な復旧対応を支援
 大規模地震などの広域災害発生時には、発生地域の全昇降機の巡回点検を行うとともに、最適な復旧支援体制を構築するため、被害状況および復旧状況を即座に把握し、社内で情報共有する必要があります。新開発のシステムでは、現地での復旧作業の開始および終了時間をQRコード(*1)により携帯電話に記録することで、復旧作業の進捗状況をリアルタイムに把握することが可能です。当社は過去の広域災害発生時における復旧作業から得たノウハウの共有やサービス情報センターの体制強化など、昇降機を安全にご利用いただくための復旧体制を構築してきました。このシステムの導入により、一層迅速な復旧対応にむけた支援体制の早期構築を図るとともに、サービス情報センターからメール送信により出動指示を行い(出動指示機能)フィールドエンジニアを機動的に配置し、効率的な復旧を実現します。
*1:QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

2.故障発生時の出動支援機能
 故障発生時の保守支援機能として新開発した出動指示機能は、サービス情報センターからフィールドエンジニアに直接出動指示を行なうことにより、迅速な復旧対応を支援します。出動指示は、フィールドエンジニアの携帯電話に直接電子メールを送信して行い、電子メールを受け取ったフィールドエンジニアは携帯電話のブラウザ機能を用いて専用の携帯WEBサイトにログインし、故障内容を確認することができます。フィールドエンジニアは外出先でも、電子メールによる通知と専用の携帯WEBサイトの利用により、出動指示とその出動内容の確認を即座に行うことが可能です。
 さらに将来的には、フィールドエンジニアが目的地へ速やかに移動できるようサポートする位置情報ナビゲーション機能を開発し、携帯電話を活用した昇降機保守支援システムに搭載する計画です。

3.情報共有機能によるサービス品質の向上と予防保全の強化
 新システムの専用アプリケーションにより携帯電話のWEBサイトで、当社が管理している昇降機の遠隔点検情報やメンテナンス情報、故障経歴など様々な監視情報を閲覧できます。さらに、保守作業にあわせて点検内容や点検時間などの作業情報を携帯電話に登録することによりメンテナンス情報を収集、蓄積されたデータを全社で共有し故障発生時において迅速な復旧に役立てるとともに、推奨点検内容を早期に把握し日常の予防保全の強化を図ります。

4.携帯電話に専用コンソール端末を搭載
 保守効率の向上のため専用コンソール端末(*2)を携帯電話に専用アプリケーションとして搭載、これによりフィールドエンジニア全員が専用コンソール端末を保有できる体制となりました。
また、携帯電話と制御装置のインターフェースとして、通信アダプタを新開発。通信アダプタと携帯電話との間はBluetooth通信TM(*3)を採用し、携帯電話にはBREW(*4)アプリケーションを搭載することで、携帯電話を活用した専用コンソール端末を実現しました。
*2:昇降機の制御装置を通して各種運行データの収集したり、運行オペレーションの調整などに活用する保守ツール
*3:BluetoothTMは、Bluetooth SIG ,Inc. U.S.A.は登録商標です。
*4:BREW およびBREW に関連する商標はQUALCOMM社の商標または登録商標です。

5.株式会社東芝で採用している安否確認システムを搭載
 広域災害発生時に従業員の安否情報の提供を求めるシステムとして、株式会社東芝で採用している安否確認システムを新システムに搭載。フィールドエンジニアの安否情報を早期に収集し、迅速な初動対応、昇降機の復旧対応へ繋げます。

【新システムの概要】

運用開始日 2007年4月27日
主な機能
  1. 広域災害発生時の復旧支援機能
  2. 故障対応時の出動指示機能
  3. 情報共有機能
  4. 専用コンソール端末機能
  5. 安否確認機能
配布対象 フィールドエンジニア全員
投資額 約17億円(今後の開発計画を含む)

【イメージ写真】

携帯電話を活用した昇降機保守支援システムによるメンテナンス風景

携帯電話を活用した昇降機保守支援システムによるメンテナンス風景

本資料についてのお問い合わせ先:

東芝エレベータ株式会社 総務部総務広報担当TEL 044(331)7001