ニュースリリース

　当社（社長：西岡浩史、本社：東京都品川区）は、独自の新システムを採用した専用機械室不要（以下マシンルームレス）の標準形エレベーター「ＳＰＡＣＥＬ−ＥＸ（スペーセルＥＸ）」を開発し、本日から販売活動を開始します。製品のページはこちらです。

【１．商品化の狙い】
　当社は、１９９８年８月に国内で初めてマシンルームレスエレベーター「ＳＰＡＣＥＬ（スペーセル）」を商品化しました。その後、マシンルームレスエレベーターは、建築物の設計自由度のアップ、省スペース、消費電力の低減などに大きく貢献する新タイプのエレベーターとして広く昇降機業界に普及し、現在では国内の新設市場において約６割(*1)を占める業界標準となっています。

　エレベーターは、その用途や構造によりオフィスビル向けを中心とするタイプ（乗用）、住宅ビル向けを中心とするタイプ（住宅用）、その他（寝台用、荷物用等）がありますが、「ＳＰＡＣＥＬ（スペーセル）」については発売以来お客様からのご好評をいただき、これまでに各タイプを合計し約１万５千台の納入実績を得てきました。新製品「ＳＰＡＣＥＬ−ＥＸ（スペーセルＥＸ）」はこのうちの乗用タイプについて省エネルギーや環境性をさらに追及し、当社独自の新技術によるフルモデルチェンジを実現したものです。なお当社は、住宅用やその他のタイプのエレベーターにつきましても、今後順次フルモデルチェンジを進めていく予定です。

　新製品には、ＰＭＳＭ（永久磁石同期電動機）を組み込んだコンパクトな長軸ギヤレス巻上機やＩＷＲＣ（鋼線心）(*2)を使用した高強度のワイヤーロープ、回生電力(*3)をエレベーターの運転に使用するハイブリッド駆動システム（有償付加仕様）など、独自の新システムを採用しました。これにより、ハイブリッド駆動システムでエレベーター運行した場合には、従来のマシンルームレスエレベーターと較べて約２０％の省エネルギー化を実現しました。また、従来のラインナップでは化粧鋼板と床タイルの一部に塩ビ系の素材を使用していましたが、環境に配慮するためこれらの箇所に非塩ビ系の素材を採用、かご室・天井デザインもフルモデルチェンジし、７種類のラインナップをそろえました。
　新製品の標準価格は、乗用・定員１１人・速度毎分９０メートル・１０ヵ所停止の機種の場合に約１，５００万円で、乗用タイプで年間２，０００台の販売を計画しています。

*1：社団法人エレベータ協会の「０２年度調査」によると、新設の全エレベーターに占めるマシンルームレスタイプの比率は５７％
*2：Ｉｎｄｅｐｅｎｄｅｎｔ　Ｗｉｒｅ　Ｒｏｐｅ　Ｃｏｒｅの略
*3：運動エネルギーを電気エネルギーに変換することにより発生する電力

【２．新商品の特長】
１． 当社独自のシステムとして、巻上機と制御装置は従来どおり昇降路内上部に設置するので、冠水や浸水に強いシステムを保持しています。

２．環境に配慮するため化粧鋼板と床タイルの素材は非塩ビ系の素材を採用、かご室・天井デザインをフルモデルチェンジし７種類をラインナップしました。また、ドア面に対するかご操作盤の傾斜角度を従来の８度から２４度に拡大し、かご操作盤面が、かご内のどの位置からも見やすい配置としました。さらにこの配置は、かご操作盤を使用する時に、操作者の身体がかご側板にあたらないようにする効果が有り、従来のユニバーサルデザインを一歩進めたものとなっています。

３．新システムの採用により、ハイブリッド駆動システム（有償付加仕様）でエレベーター運行した場合には、従来のマシンルームレスエレベーターと較べて約２０％の省エネルギー化を実現しました。

４．オプション（＝有償付加仕様）でエレベーターホールやかご内にＩＣカードや指紋認証、顔認証などのセキュリティシステムを設けることができます。

５．遮煙のりばドア「Smokeproof（スモークプルーフ）*」（有償付加仕様）を昇降路寸法の変更なしでご採用いただけます。
* Smokeproof（スモークプルーフ）は、のりばドアと三方枠に特殊気密材を設けることによって遮煙性能を持たせる製品です

【３．新商品の概要】