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よくわかるエレベーターと建物のこと

知ってるようで知らない!?
エレベーターの不思議(第1回)

便利な移動手段として、ふだん何気なく利用しているエレベーター。
しかし、エレベーターの細部まで注意して見てみると、意外と知らないことが多いのではないでしょうか。
今回は、知っているようで知らないエレベーターの雑学のうち、乗り場とかご室にまつわるものをご紹介します。

かごと乗り場のすきまに鍵を落とした時はどうすればいい?

自分で取ろうとしないで、建物の管理者や所有者に連絡してください。

 一般的なエレベーターでは、かごと乗り場のすきまが1~3㎝程度空いています。このすきまに物を落としたら、建物の管理者や所有者に連絡して、エレベーター管理会社の保守作業員に対処してもらってください。
 東芝エレベータは、ドアが開くのとほぼ同時にすきまをふさぐ「しきい間すきまレス」機能を業界で初めて開発いたしました。この機能を標準で搭載した『SPACEL』ではこうした心配が少なくなります。

しきい間すきまレスなし
しきい間すきまレスあり

東芝エレベータ 「しきい間すきまレス」機能標準装備『SPACEL(スペーセル)』

ドアが閉じかけたエレベーターに乗ろうとするとドアが開く仕組みは?

ドアへの身体の接触や、利用者のドアの通過を感知していますが、
最近では一歩進んだ仕組みもあります。

 ドアにはさまれる事故を防ぐために、エレベーターには「ドアセフティ」と呼ばれる機能が搭載されていて、この機能は機械式と電気式の2種類があります。機械式は閉じつつあるドアに人体などが接触することがドア反転の引き金になるのに対して、電気式はドアに組み込まれた赤外線センサーが人体などを感知し、閉まりかけたドアを再び開く方式です。
 東芝エレベータは、乗り場付近にいる人の働く方向を判定してドアの開閉を行う「スマートドア」を開発しました。「スマートドア」は画像解析技術を活用し、ドアに向かってくる人がいたら開けたまま待機するのに対して、ドアの前を素通りする人がいたら、通行人と判断してドアを閉めます。これにより、はさまれ事故を防止するだけでなく、エレベーターの停車時間を短縮して、効率のよい運転を実現します。

スマートドア


ドアに向かってくる人を乗車意思ありと判断し、ドアを閉めずに待機

ドアの前を素通りする人を乗車意思なしと判断し、ドアを閉める
スマートドア

操作盤のボタンで一部盛り上がっているものがあるのはなぜ?

視覚障がいのある方が触れて判断できるようにするためです。
その他にも様々なバリアフリー機能が増えています。

 視覚障がいのある方でもボタンを押しやすくするために、最近のエレベーターでは階数とボタン枠を盛り上げた凸文字ボタンが採用されています。その他にも、誰でも使いやすくするために多くのユニバーサルデザインが施されています。凸文字ボタン以外にも、手すりの丸みや液晶インジケーター表示の多言語対応、目的階までの到着時間を直感的に感じることができるプログレスリングを採用しているのもより使いやすくするためです。


凸文字ボタン凸文字形状については、文字幅より細い、四角文字が触知しやすいと評価され、操作ボタンにその形状を採用した。また、菌やウイルスに対する抑制効果がある抗菌剤を練り込んでいる。

液晶インジケータープログレスリングは現在階の周囲を囲むように配置されている。円が完成するころに目的階に到着する。また、非常時の液晶表示は日本語、英語表示と、中国語、韓国語表示がピクトグラムと共に表示され、四カ国語でアナウンスを行う。
多言語対応の例
8.4インチ 大形液晶インジケータ(地震時管制運転の場合)

ボタンを押さないで操作できるエレベーターはある?

かごと乗り場のボタンを非接触対応にすることができます。

 エレベーターのボタンの前に指をかざすと内蔵された赤外線センサーが反応し、目的階や乗り場呼びボタンが登録されます。また、直接触らずにどのボタンを押そうとしているかが視覚的に分かるよう、指を近付けるとボタンが淡く点灯し、登録が完了すると「ピッ」と音を立ててお知らせします。

指を近づけると予備検知
指を離すと登録

非接触ボタン(センサー組込型)

操作盤に鏡が設置されているのは、何のため?

操作盤の前に立つ方が振り向くことなく背後を確認できるようにするためです。

 東芝エレベータ『SPACEL』にはこの鏡が標準装備されており、「広角ミラー付操作盤」と呼んでいます。
 エレベーターによっては、かご室内部の安全性を高めるため、防犯カメラが設置されている場合もあります。この映像は1週間程度保存され、マンションによっては、このカメラを通してかご内の様子を見ることができます。


かご室の背面壁面に設置された大きな鏡は何が目的なの?

車いす使用時に、出入り口付近の状態を確認できるようにするためです。

 かご内が混んでいると車いすを回転できず、後ろ向きのままエレベーターを降りなければならないことがあります。かご室の正面壁面に大きな鏡が設置されていれば、車いすを使用される方は、こうした時でも後方を確認できます。
 もちろん、エレベーター乗車中に身だしなみを整えることにも使えますし、かご室を広く見せる効果も期待できます。


エレベーターの非常ボタンを押すとどうなるの?

管理人室やサービス情報センターの担当者と話すことができます。

 一般的には建物の管理人室につながっていますが、遠隔監視の保守契約を結んでいる場合は、エレベーターの状態を24時間、365日監視しているサービス情報センターとつながるようになっています。この場合は、異常や閉じ込めなどが発生しても、エレベーター管理会社の社員が対応でき、エレベーターを安心してご利用いただけます。

東芝エレベータ 24時間365日見守るサービス情報センター


サービス情報センター

マンションに設置されているエレベーターで、
壁にマットが貼ってあるのを見ました。どうして?

引っ越し時などに荷物やエレベーターを傷つけないようにするためです。

 マンションのエレベーターは、引っ越しなどで大きな荷物の出し入れがあったり、住民の方が自転車を乗せたりします。その際に壁に傷がついたり汚れたりしないように推奨されているのが、壁に貼られている保護マットです。保護マットは磁石でエレベーターの壁に付着されていることが多く、簡単に取り外しできます。
 また、東芝エレベータでは、壁を守りながらかご内の環境を清潔に保つことが可能な「ルネキャット」を塗布した保護マットもご用意しております。光触媒の作用により、消臭や菌・ウイルスの抑制効果が期待できます。

エレベーター用保護マット「ルネキャット®

かご室の背面下部に扉があるのを発見しました。これは何?

ストレッチャーなどを運ぶトランクスペースです。

 積載量600kg、定員9名の住宅用エレベーターには、ストレッチャーなどの運搬スペースを確保するために、トランクスペースを設けることが法律で認められています。
 通常、トランクスペースの扉には鍵がかかっており、使用することはできませんが、緊急時には解錠して扉を開ければ、エレベーターでストレッチャーを運搬することができます。扉の鍵は通常、マンションの管理人室で保管されています。
 また、2003年10月以降の新設エレベーターでは、鍵がメーカーを問わずに共通化されていて、救急隊員の所持する鍵で解錠できるようになっています。


トランクスペース

映画には時々、かご室に閉じ込められた人が天井の救出口から脱出する
シーンが出てきます。いざという時はそうやって避難できる?

現在のエレベーターは、ほぼ天井からは出られません。

 乗用エレベーターの天井には、確かに救出口が設置されているものもありますが、現在は救出口がないものが多いのです。救出する際は、エレベーターを最寄りの階まで動かし、乗降用のドアを人の手で開けて救出します。天井に救出口があるものについては、外から鍵がかけられていて、かごの中からは開けられないようになっています。
 そのため、映画のようにこの救出口から自力でかごの外に出ることはできません。救出口からかごの外に出て、エレベーター塔内に誤って転落する恐れをなくすためです。万が一かごの外に出られたとしても、エレベーターの停止位置によってはシャフト内から脱出できない可能性があります。救助隊員かエレベーター管理会社の社員が到着するのをかご内で冷静に待ってください。
 また、東芝エレベータでは万が一の場合の閉じ込めを未然に防ぐため、P波感知器付地震時管制運転や停電時自動着床装置(トスランダー)、火災時管制運転機能などを備えています。各機能の詳細はホームページにも記載がありますので、ぜひ一度ご確認ください。

東芝エレベータ 災害対策


次回は「エスカレーターの不思議」です。
乞うご期待!