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新多摩川スカイハイツ 東京都大田区

東急多摩川線「矢口渡」駅から徒歩12分。1978年建設の「新多摩川スカイハイツ」は、多摩川に臨む総戸数122戸のマンションだ。同ハイツの大日方郁夫理事長は、築30年の節目にエレベーターのリニューアルを決断した。

  • エレベーター

  • マンション

  • ロープ式

  • 住宅用

  • 準撤去

新多摩川スカイハイツ

仕様

物件名

新多摩川スカイハイツ

住所

東京都大田区多摩川2-24-6

概要

1978年に建設された総戸数122戸の中規模分譲マンション。東急多摩川線「矢口渡」駅から徒歩12分の静かな住環境だ。

資金計画に合わせて更新時期を検討

 東急多摩川線矢口渡駅を最寄り駅とする中規模マンション。蒲田まで駅ひとつという好立地にあり、周囲には商店街やサイクリングロードも整備されています。スカイはいつハイツは築30年を迎えてエレベーターも古くなり、「遅い」「汚い」「騒音が気になる」といった声も居住者から上がり始めていました。
 分譲マンションの資産価値を長く保ちながら快適に住むためには、長期的な視点で修繕計画を実行するための資金積み立てが不可欠。マンション自体の耐用年数を60年程度とすると、どこかで一度エレベーターのリニューアルを実施する必要があります。資金計画とにらみあわせながら時期を慎重に検討してきた結果、居住者も今回のリニューアルに大きな期待を寄せていました。
 建築当時30代でマンションを購入した入居者も定年を迎え、自宅にいる時間も増えてきます。住環境の細かな改善で生活の質も向上させるため、バリアフリー対応のほかに地震や停電の対策も合わせたリニューアルをしました。

大日方 郁夫氏

■大日方 郁夫氏
新多摩川スカイハイツ理事長

マンションの資産価値を上げるリニューアル

 リニューアルの要望は「より綺麗に」「より静かに」「より速く」の3点。以前はかご室内が暗くて圧迫感があり、安心感が不足していました。それがリニューアル後は明るくなってスピードもアップ。音も静かで、窓付きのデザインが安心感を与えてくれます。
 リニューアルに付き物の問題といえば、工事期間中にエレベーターが使えないこと。総戸数122戸、6階建てのマンションで1台しかないエレベーターが止まると、居住者への影響も大きくなります。工事期間は10日間でしたが、いずれは必要な工事だということを居住者の方々にもご理解いただきました。少しの不便さをが我慢すればエレベーターの安全性が高まるという期待も感じました。
 周辺には環境の良さから新しいマンションが次々と建っています。マンションの資産価値を考えても、適切なエレベーターのリニューアルができたと思っています。

エレベーター・1階ホール

■エレベーター・1階ホール
リニューアルして明るく、快適になったエレベーター。遠隔監視メンテナンスにより、24時間・365日の対応が可能になった。

エレベーター・かご室

■エレベーター・かご室
かご室の色は東芝エレベータから3パターンを提案し、居住者の投票によって現在の明るい色に決定した。

エレベーター・かご室内操作盤

■エレベーター・かご室内操作盤
東芝エレベータがオプション提案した「車いす」対応が採用され、子どもやお年寄りも操作盤が扱いやすくなった。

ここがポイント
入居者の変化に合わせたリニューアル

 古いエレベーターは新品と比べると揺れも多く、照明の暗さも目立つようになります。扉に防犯窓がつくことで閉塞感が軽減され、天井を光天井にするとかご室が格段に明るくなります。振動を減らせば、不快感もなくなります。日常でよく使うエレベーターは、ごく基本的な使い心地が改善されるだけで効果が実感できます。
 分譲マンションの場合、年数の経過に合わせて居住者の年齢層も変化していきます。居住者が元気なうちにバリアフリー対応を済ませておくことで「車いすを使うようになっても大丈夫」という安心感が得られ、ベビーカーを利用するお母さんや小さいお子さんも安心して住み続けることができます。
 車いすでバックからかご室に入る際、背後を確認するために鏡を取り付けます。この鏡には、かご室を広く感じさせる効果もあります。

メーカーの立場から

マンションのエレベーターのリニューアルは、マンション管理組合や利用者の満足が何よりも重要。最新機能と先進技術は、消費電力の低減や信頼性の向上にもつながっている。

リニューアルで人にも環境にもやさしく

 総戸数に比較してエレベーターの台数が少ないマンションのため、機器の消耗や摩耗が早いことから前倒しで実行することになりました。  準撤去リニューアルは制御機器を一新し、かご室も交換するので、新設のエレベーターと同様の乗り心地が得られます。建築当時よりもエレベーター技術は格段に進歩しており、最新の耐震基準にも対応しています。安全性の向上はもちろん、消費電力の大幅な削減や天井照明器具の長寿命化など環境にも配慮した仕様です。
 リニューアルの標準仕様である管制運転機能・耐震工事を実施したため、建築基準法の耐震基準をクリアできました。また遠隔監視の導入でメンテナンス時間が短縮され、すばやい対応が可能になりました。またバリアフリー仕様として車いすの向きを変えずに操作できる2つの専用操作盤を備え付けました。通常より低い位置に専用操作盤が設置されるため、高いところに手が届かない高齢者や子供にも好評です。

欠かせない居住者の理解と協力

 工事の際には理事会や居住者の協力が欠かせません。居住者の全員に手紙でご協力をお願いしました。また近隣の方にもご理解をいただければならないので、管理組合の皆様にご挨拶をお願いしました。
 またリニューアル工事には機材を置くスペースも必要です。新多摩川スカイハイツはL字型のマンションで資材用のスペースがなく、マンションの駐車場4台分のスペースを借りて荷揚げを行いました。居住者は夕方から夜にかけて続々と帰宅するため、音が出る工事は6時まで、工事自体も8時までには終了させました。

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