守口市庁舎[空調/LED照明]
ESCO事業補助金活用 大阪府守口市京阪本通
省エネルギーはもちろん、その先の防災面も強化。
設備劣化、光熱水費高騰、災害対応などを包括的に解決する改修事業。
企業城下町として発展した成熟都市。
守口市シンボルキャラクター もり吉
守口市は、大阪平野のほぼ中央部に位置する人口14万人を超す都市で、大阪市のベッドタウンを形成する衛星都市のひとつです。早くから大手家電メーカーの企業城下町として発展を遂げるとともに、各種行政サービスを充実させ、公共施設や都市基盤の整備を進めてきました。現在では日常生活を支える基本的な施設整備は一定の到達点に達し、環境に配慮した地域づくりを促進するなど、成熟した都市としての機能を備えています。
自治体
地域レジリエンスと脱炭素化を同時に実現して、未来につながる守口市庁舎のあるべき姿を追求。
仕様
構造 |
地上10階・地下1階/鉄骨鉄筋コンクリート造/延べ面積:29,600m2 |
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工事期間 |
2021年9月~2023年1月 |
背景
2016年10月に某大手電機メーカーの本社ビル(竣工1999年)を取得し、現市庁舎として利用。施設は竣工より20年を経過し、設備機器の劣化、突発故障、光熱水費高騰の問題に直面していたことから、諸問題を包括的に解決するために「庁舎省エネルギー化調査等業務委託」を実施。将来に向けて市庁舎機能を有する改修事業化を行うためには、ESCO事業が最適との結果になった。
課題
設備機能が多大で豪華な以前のシステム構成のままで、特に2台のコージェネレーションシステムは発電と廃熱を有効利用できるが最適な運転制御がされておらず、故障時の契約電力超過や故障修理費などが問題化。課題解決とリスクヘッジ強化の同時実現を目指していた。
ご提案
補助金提案
再生可能エネルギーの主力化とレジリエンス(災害に対する強靭性の向上)強化を同時に向上させ、地域におけるCO2排出量削減を図る環境省の推進事業として提案・認可された。
省エネ提案
●空調熱源機器を、従来の燃焼式から電気メインの高効率空冷ヒートポンプチラーへ更新。
●防災拠点として災害時の電力供給停止に備えるため、電気式400kW×2台のコージェネレーションシステムを更新。
●約7,500台のLED照明化、空調ファン・熱源ポンプのインバータ化による搬送動力の高効率化、中央監視装置などの設備機器の更新・導入を行い、課題であった省エネルギー化・最適化・長寿命化・防犯面の強化などをご提案。
設備・運用提案
豊富な実績のある東芝エレベータがESCO事業全体を提案し、空調設備は東芝キヤリア、照明設備は東芝ライテックが担当する東芝グループの総合力によるご提案。
実施内容
省エネ推進 ▶ 空調熱源設備の更新
従来のガス燃焼式(吸収式冷温水機)から、現状の使用環境に合った7台モジュール化の電気式セントラル空調システム(空冷ヒートポンプチラー)に更新。必要負荷に応じた台数を自動制御で判断して冷水・温水を適切に供給する。
防災強化 ▶ コージェネレーションの更新
防災拠点として位置付けられる庁舎が司令塔の機能が果たせるよう、ガス発電のコージェネレーションシステムを更新(同容量400kW×2台)し、引込ガス管なども補強。浸水対策として被害を軽減するため止水板も設置した。
省エネ+防犯 ▶ 照明のLED化など
電気空調化による省エネ推進や防災面強化以外にも高効率の一体型LEDライト約7,500灯、使用エネルギーを見える化する中央監視装置などの設備機器を更新・導入。さらなる省エネルギー化・最適化・長寿命化などの強化実現に貢献した。また、犯罪被害を未然に防止するため、庁舎内、一部未設置場所を含め、カメラ57台、西側駐車場4台の計61台設置した。防犯カメラの設置効果により、市民の皆さまの安全・安心につながっている。
空調機
空冷ヒートポンプチラー
コージェネレーション
中圧ガス管化
LED照明
エアコン集中コントローラー
地下スロープ止水板
防犯カメラ
導入効果
主なエネルギー改修成果(年間)
熱源システムや照明に高効率の省エネ設備を導入。
課題解決に直結する提案によって、既設設備に比べて高レベルのエネルギー削減率を達成。