
世界の空に限りなく伸びゆく、高層空間。
縦方向の移動手段として、生活とビジネスに欠かすことのできないエレベーター。マンション、オフィス、商業施設、病院など、人々の暮らしの数だけ様々な用途があり、ご利用者の快適性・安全性・安心感を追求するため日々向上しています。

こんな種類のエレベーターがあります。
昇降機は建物によって種類や使われ方や役割が違います。様々な分野で活用されているエレベーターを紹介します。
1乗用エレベーター
乗用エレベーターは事務所ビル、ホテル、商業施設などで広く使われており、多くの方が効率よく乗り降りできるように、多方向から一斉に乗り降りするのに適した中央開きのドアが採用されています。また、輸送効率の向上のため高速化が図られているほか、建物内に複数台のエレベーターを設置されている場合は効率的な運転の割り振りを行う群管理システムで制御を行います。
群管理システム
複数台のエレベーターを変化するかごの位置や運転方向、かご呼びとのりば呼びの状況などを自動的にコンピューターで演算処理し、交通需要の変化に対応しながら効率的にコントロールし、運行管理するシステムです。


2住宅用エレベーター
住宅用エレベーターは中低層から高層マンションなどの集合住宅に設置されるエレベーターです。特長としては最小限のスペースで間口を大きくとるのに有利な片開き式が採用され、引っ越し時などに荷物を積み込めるように奥行き方向が長く設計されています。さらに救急時のストレッチャーを搬送できるように開閉可能なトランクを設ける場合もあります。また、近年セキュリティ向上のためエレベーター内を閉ざされた密室にせず、外からでも見守ることができるように防犯窓付きドアが多く採用されています。

3寝台用エレベーター
寝台用エレベーターは主に病院や養護施設などで、ベッドやストレッチャーに乗せた患者の搬送を考慮して設計されています。特長として寝台を無理なく収容するため奥行き方向のスペースが広くとられ、ドアは片開きを採用するなど、限られたスペースでも充分な間口を確保できることに加えて安全面でも有利です。

緊急搬送時に備えて、目的階への直通運転に切り替えるための“専用運転” 機能や“優先呼び”など、搬送の効率と安全を高める機能も備えています。操作盤や壁面の化粧シートに抗菌素材を用いるなど、感染、衛生対策にも配慮されることが多くなっています。

4非常用エレベーター
非常用エレベーターは、火災の際に消防隊の消火・救出活動を支援するための交通機関です。特長として高発泡消化器と消防2小隊を運ぶことができる最小寸に設計されており、天井に救出口が設置されています。また、停電時でも運行できるように予備電源の設置や消防救出活動上、かご内と中央管理室を連絡する専用電話装置も設置されています。

5駅舎用エレベーター
駅舎用エレベーターは、鉄道施設などで高齢者やお身体の不自由な方がより安心して移動できるように設計されたエレベーターです。特長として狭いスペースでも設置できるようにコンパクトなサイズで設計されており、2方向の出入り口が設置されています。また、かご室内は点字プレートが設置された操作盤や手すりなどのユニバーサルデザインが施されています。

6展望用エレベーター
展望用エレベーターはショッピングセンター、ホテル、オフィスビルなどに設置されており、昇降中かご内に設置された大型の窓から外の景色を眺めることができる意匠性の優れたエレベーターです。また、かご内が外から見えるのでエレベーター内が密室や死角にもならず、安全性も高いです。


7荷物用/人荷用エレベーター
荷物用/人荷用エレベーターは、荷物の輸送に利用されることを目的とし、運転者のみが乗り込むことを想定した設計となります。また、搬出入や操作のために人が出入りするので、センサーによるドアセフティなど安全上の配慮が払われています。ドアタイプには搬出入の効率を考慮し、間口が大きくとれる片開きと上開きが用いられています。


8小荷物専用昇降機
小荷物専用エレベーターは病院、店舗、工場などで小型の荷物を運搬する際に使用するエレベーターです。タイプとしては、小型の荷物を立った姿勢で積み降ろしするのに便利なテーブルタイプと、台車や配膳車での搬出入に便利なフロアタイプがあります。また、配送階に素早く反応する音声案内装置機能や相互通話式インターホンを備えています。


ご利用者を効率よく、大量に輸送出来ることから、ショッピングセンター、映画館などの商業施設や、駅、病院、官公庁舎などの公共施設に幅広く採用されているエスカレーター。様々な施設における使われ方を紹介します。

こんなところにエスカレーターが設置されています。
ご利用者を効率的に輸送するために、導線や利用人数、設置条件を考慮し、台数や機種の選定を計画します。



特殊なエスカレーター
空港や駅に幅広く導入されている「動く歩道」もエスカレーターの一種。
このほかに踊り場状の水平部を設けた「中間水平部付きエスカレーター」など設置場所に合わせて様々な形態が採用されます。


デザイン/景観を重視した設置例
エスカレーターのデザインには施設の内観と調和することが求められます。

