2012年5月22日に自立式電波塔として世界一の高さを持つ東京スカイツリー®が開業しました。そこを訪れるだれもが利用するのがエレベーターです。当社はタワーの主要動線として地上から天望デッキ(第一展望台・高さ350m)を約50秒で結ぶ大容量・超高速エレベーター4基と、昇降行程が日本で最長となる2台の業務用エレベーターを納入しました。高い安全性や快適な乗り心地を支える様々な技術をご紹介いたします。
【物件情報】
■所在地:東京都墨田区押上1-1-2
■施設:地上高約634m
■施主:東武タワースカイツリー株式会社
■納入台数:エレベーター6台
■竣工:2012年5月

地上と東京スカイツリー天望デッキを結ぶ、大容量タイプとしては国内最高速のエレベーター。永久磁石を用いた高出力巻上機を採用しています。また、高精度のモーター制御も行えるので、上昇時の加速や停止時の滑らかな減速も制御できます。
「新しいランドマークであり、日本のシンボルにもなる。当社の技術力や品質を広くPRするのに最適な物件です。ものすごい情熱で受注を目指しました。」


かごを覆う流線型の「整風カプセル」が、昇降路内を移動する際にかご周りの空気の流れを整流化することで空気抵抗や風切り音を抑制し、乗り心地を改善します。
「かごの位置など、様々な条件下での建物の揺れとロープの振れの関係を分析し、その結果をたくさん用意しておきます。建物の揺れを検知したら、その結果から同じ条件のものを選び、今ロープがどう振れているかをリアルタイムで推定する。それに基づいて自動的に運転を制御するのです。」


東京スカイツリー®は、ほかにはないきわめて長大な構造物のため、建物の揺れと共振し、ロープが揺れ、建物に引っかかるおそれがあります。当社はエレベーターを滑らかに動かすため、レールの継ぎ目の段差を極限までなくした据付を行ったので、揺れのない快適な乗り心地を提供します。
「夜はエレベーターが動くたびに外装照明が点いてきれいですよね。昇降路がガラス張りなんです。そこに日中は日が差す。すると熱でレールや鉄骨が伸びるので、伸びてもレールがスライドする固定方法を採用しました。日差しと物の体積変化、上や下の温度や気圧変化の関係を把握するのは大変でした。」






東京スカイツリー天望デッキに向かう4台のエレベーターにはそれぞれ春夏秋冬を表現したアートパネルが設置されています。このパネルは墨田区のデザイナー高橋正実氏がデザインしたもので、地域に受け継がれた職人技が駆使されています。




建設に関わった人々の名前がすべて刻まれている
