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リニューアル探検隊が行く!
 
篠島観光ホテル大角
兵庫県明石市の山陽本線土山駅から歩いて数分の場所にある明石土山駅前スカイハイツは、4棟からなる大規模マンションだ。2008年から10年にかけての大規模修繕工事の一環として、エレベーターもすべて準撤去リニューアルした。651戸という大所帯を抱えてのリニューアルだけに、管理組合にとっても大きな試練だった。リーダーとしてこの課題を乗り切った管理組合理事長の山端徹氏にお話をうかがった。
 
  ■山端 徹 氏
明石土山駅前スカイハイツ
団地管理組合法人
理事長
 
 山陽本線土山駅からほど近い明石土山駅前スカイハイツは、A〜D棟の4棟が立ち並ぶ大型のマンションだ。A・C棟は1983年に竣工し、ともに14階建て。B棟は88年に竣工し、7階建て。D棟は89年竣工で13階建てだ。A・C棟は分譲、B・D棟は賃貸が中心で、4棟合わせて651戸が入居している。
 エレベーターはロープ式がA・C・D棟に2台ずつ、B棟には油圧式が1台入っていた。まず、2008年にA・C棟の4台がリニューアルを完了。その経験を活かして、今年B・D棟の3台をリニューアルし、5月にすべてのエレベーターのリニューアルが完了した。同時に外壁塗装などの大規模修繕も実施しただけに、すべてを取り仕切った管理組合では苦労の連続だった。
 理事長の山端徹氏はこう語る。
 「今回、B棟の油圧エレベーターのリニューアルでは24日間も完全停止になるので、住人対応については東芝エレベータさんにもご協力いただきました。B・D棟は部屋のオーナーとは付き合いがありますが、賃貸として住んでいる方々とは交流がありません。だから、なおのことリニューアルでは不便をかけないように気を遣いました」
 B棟には日常生活で車いすを必要とする住人がおり、24日間も完全停止すると、生活ができなくなるのではないかと山端理事長は心配していたのだ。D棟はエレベーターが2台あるので、基本的にはどちらか1台が動くことになっていたが、それでも3回は、数時間の間エレベーターが同時に停止してしまう。
 「住人第一ですから、万が一のときのことを考えておかないといけません。また、B・D棟では年間で250〜300回もの引っ越しがあるので、引っ越し日にぶつかったら大変ですからね」
 東芝エレベータでは、こうした不安に対応するために、階段昇降機を用意した。これならば、車いすごと階段の上り下りができる。また、警備会社の協力を得て、買い物の荷物など運搬を手伝うスタッフを2名常駐させることにした。朝8時半から夕方5時半まで、電話で予約すれば、いつでも駆けつける。多い日には30件もの依頼があったという。
 D棟では2台が同時に止まったり、停止時間の変更があったりするときは、2週間前に全戸にチラシを入れて連絡するようにした。
 もうひとつの問題は、同時に進行していた外壁の大規模修繕だ。修繕のために組まれた足場によって、巻上機の交換を外からクレーンで行うことができなくなったのだ。そこで、階段を使って巻上機の搬入作業を行った。巻上機は非常に重量のある機械であり、事故を防ぐため、修繕を担当する建設会社とより綿密に打ち合わせを行う必要があった。このように、問題を一つひとつ解決し、無事に工事は完了した。
 「東芝エレベータさんには誠実な対応をしてもらったせいか、住人からのクレームは全くありませんでした。エレベーターのスピードも上がったのに乗り心地はよくなったし、リニューアルしてよかったですよ。それに、防災キャビネットを全エレベーターに入れてもらって、ありがたいと思っています」
 非常用品を収納した防災キャビネットの設置により、新安全基準に適合した最新エレベーターとともに、さらに安心が増したようだ。
 
▲エレベーター・1階のりば
エレベーターのリニューアルはマンション全体の大規模修繕工事と
同時に行われ、エレベーターと同時に外壁なども再塗装した。



▲エレベーター・かご室
両サイド壁面に車いす用操作盤が設けられ、どちらからかご室内に進入しても操作できるようになっている。
▲エレベーター用防災キャビネット
エレベーターの隅に合わせて三角形に作られた防災キャビネット。中には簡易トイレや飲料水など非常時に備えた物資が収納されている。

明石土山駅前スカイハイツ
JR山陽本線土山駅から歩いて数分のところにある。A棟とC棟が1983年竣工で14階建て、B棟が88年竣工で7階建てで、D棟が89年竣工で13階建ての大規模マンションだ。
■住所:兵庫県明石市二見町西二見2014-15

 明石土山駅前スカイハイツは651戸が入居する大規模マンションですが、周囲を塀で囲まれたゲーテッドマンションでもない限り、どうしても目の届かないところが出てきます。その点、敷地内やエレベーターのかご室内に26台もの防犯カメラを設置していることはすばらしい防犯対策です。
 しかし、防犯を機械だけに頼るのは危険です。人の目による監視があってこそ、より安全になると言えるでしょう。
 エレベーターを見ると、管理人さんがかご室内にも気を配っていることがよくわかります。それは、定期的に更新する掲示板を設置しているからです。実は防犯上、掲示板は効果があるのです。このマンションはちゃんと管理され、人の目が行き届いているぞ、ということを暗に示すことで、いたずらや犯罪をしにくくなります。
 かご室内の車いす用操作パネルを左右両方に設置していることも住民に気を遣っている証拠ですね。片方の腕にまひなどの症状がある方の助けになるだけでなく、杖や荷物で片腕がふさがっている場合にもパネルの操作がしやすくなります。
 マンションの住み心地や資産価値の維持には管理組合が大きく関わりますが、今回のリニューアルでは新安全基準対応のエレベーターを導入し、安全性、防犯性、ランニングコストのいずれも平均点以上という好例です。
 しかも、大規模修繕と同時に行い、苦情ひとつ出なかったというのは珍しいことです。管理組合が主導して事前の準備と打ち合わせがしっかりできていたからでしょう。
 防災キャビネットも安心を高めました。キャビネットがイス代わりになると、高齢者の方にはさらに喜ばれるかもしれません。(談)
■隊長 篠 正彦
東洋大学工学部建築学科 准教授。1968年東京都生まれ。
専門分野は、建築計画と環境行動研究。特に、都市での生活様式と住居、施設の関係を研究している。現在、ベトナムにおける集合住宅の調査研究を進めている。
■隊員 山田花子
篠武謳カの研究室でベトナム建築を学ぶ。趣味はピアノとフルート。

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