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連載●安全・安心を科学する
 
 
通話・メール・インターネットと、その小さな中に多機能を備えた携帯電話はいまや仕事と遊びの両方も含めて、私たちの生活になくてはならないものとなっている。
これほど日常に密着した機器であるがゆえにどんなトラブルがあるか知っておくことが大切だ。

 携帯電話の登場によって私たちの世界は、大きく変わった。それは街中から公衆電話の数が大幅に減ったというような目に見える世界だけの話ではない。以前は電話のある場所でしか通話ができなかったが、個人と共に電話が移動できるようになってからは、人と人はあらゆる場所でつながっている状態となった。いや、通話だけではない。携帯電話の機能として備わっているメールやインターネットによって、あらゆる情報を瞬時にやりとりできるようになった。もはや私たちの生活のなかで携帯電話は必要不可欠の存在である。
 しかし便利である反面、そこには思わぬ落とし穴が潜んでいないとも限らない。携帯電話にはどんなトラブルが多いのか、その対処の方法も含めて、NTTドコモ モバイル社会研究所 主任研究員の遊橋裕泰氏に聞いてみた。
 「携帯電話のトラブルは、大きく分けると3つあります。1.端末操作にかかわること、2.外からの悪意をもったアクセス、3.人間関係です」と遊橋氏は言う。
 まず端末操作にかかわることだが、なかでもインターネットの操作には気をつけたい。
 インターネット上にある無数のサイトには、ショッピングサイトも多い。多くのサイトは、購入までに何度かの操作を必要とし、購入履歴がメールで送られてくる仕組みになっている。だが、インターネットのサーバーは世界中に置かれている。必ずしも、どのサイトでも安全にショッピングできるとは限らない。不当に高い価格で販売された製品の購入ボタンを押してしまい、支払いと製品受け取りを済ませてから気付いたものの、すでに販売者は行方をくらましていた、いうケースがある。
 こうしたトラブルを避けるには、あらかじめ危険なサイトには接続できないフィルタリング・サービスを設定しておけば、安心してインターネットが楽しめる。フィルタリング・サービスは、携帯電話会社によって安全と認定されたサイトのみ接続する「ホワイトリスト方式」と、アダルトなど特定ジャンルのサイトは接続できない「ブラックリスト方式」の2種類がある。これは携帯電話会社が無料サービスとして提供しているもので、販売店や電話機で設定できる。必要に応じて設定するといいだろう。
 また、重い画像や動画がメールで送られてきて、思わぬ高額の通信料が発生してしまうことも。月額利用料が設定した限度額に到達すると、メールで知らせてくれたり使用できなくなったりするサービスもあるので、契約内容を把握して賢く利用したいものだ。
 2番目の悪意をもったアクセスには、電話とメールの2種類がある。
 電話はいわゆる「ワン切り」と呼ばれるもので、1、2回の呼び出しですぐ切れてしまう。着信履歴が残るので折り返すと、法外な利用料のサービスを利用したかのように装い、個人情報を聞きだそうとしたりする。
 メールの場合は、「あなたはこの有料サイトを利用したのに料金を払っていないから、振り込むように」という類いのメールが送られてくることがある。あるいは、いやがらせメールを送ってきて、「今後メールを送って欲しくない場合は、返信するように」と指示してくるものもある。
 電話にしてもメールにしても、これらの対処方法は、知らない人からアクセスしてきたものには、絶対に折り返し電話や返信メールをせず、無視することだ。携帯電話から自動で送信される内容は、電話番号や位置情報、機種情報といったもので、個人を特定できる内容、特に住所や名前はまったく含まれていない。自分から住所や氏名を教えない限り、着信拒否をすれば、相手は二度とあなたと連絡を取る方法はないのだ。
 3番目の人間関係とは、携帯電話のメールが引き起こす人間関係でのトラブルだ。
 携帯電話でのメールは短文になりがちで、なかなか自分の言葉で伝えることが難しい。こうした場合、メールで招いた誤解はメールで解決しようとしないことが大切だと遊橋氏は語る。
 「せっかくの携帯電話ですから電話で話す、あるいは会いに行くなど、直接話して真意を伝えたほうが解決の近道になります」
 最後に、携帯電話をどこかで落としてしまったら、もしくは盗まれてしまったらどうすればいいのだろうか。
 「日ごろから携帯電話にあるロック機能を働かせておく習慣をつけてください。そうすれば、万一の場合でも、情報の流出は防げます。また、ロック機能は、携帯電話を置きっ放しにして席を外したときなど、第三者があなたの携帯電話の着信履歴や電話帳を盗み見ることも防止します。そしてなくしたとわかったときは、すぐに携帯電話会社に連絡してください。携帯電話会社では、すぐに電話機能を止め、おサイフケータイでも使用不可にできます。その上で、警察に届けてください」
 便利この上ない携帯電話。だからこそ、普段から危機管理を心がけておきたい。
 
n = 13,680
出典:平成20年通信利用動向調査(総務省)
▲ 図 携帯インターネットの利用率(2008年)

「安全規格」は
 
もしも大規模な災害が起こったら災害用伝言板を利用しよう。
 
   本文では携帯電話についてのトラブルについて述べたが、逆に災害などのトラブルが起こったときには、携帯電話は手放せないツールでもある。
 携帯電話に災害用伝言板サービスというのがあるのをご存知だろうか。これは平常時にはアクセスできないが、震度6弱以上の地震など大規模な災害が発生したときに使用可能になる。災害時には、多くの人たちが一斉に電話を使用するため回線がつながりにくくなってしまう。メールでも安否を知らせたり確認したりできるが、電話番号は知っていてもメールアドレスまでは……という人も多い。そんなときに使って欲しいのが、この災害用伝言板サービスだ。
 災害用伝言板では被災地域の人が「無事です」「被害があります」「自宅にいます」「避難所にいます」のうち当てはまる箇所をチェックし、さらに100字以内のコメントがつけられる。一方、安否を知りたい人はここにアクセスして相手の電話番号を入力すると、被災地域にいる当該の人が入力した先のメッセージを見ることができる。そこにない場合には、リンクしている他の携帯電話会社の災害用伝言板へ飛ぶことも可能だ。いざというときのために、普段から災害用伝言板サービスの使い方を確認しておきたい。
 
 

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