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原油価格の高騰で電気・ガスも値上がりし、世界に目を向ければ、地球温暖化による海面上昇や異常気象が大きな問題になっている。
マンション暮らしで、日常的に無理なく省エネできる方法はないだろうか。
 地球温暖化の主な原因は、二酸化炭素などの温室効果ガスだといわれている。日本は京都議定書で、目標年(2008〜12年の平均)の排出量を1990年に比べて6%削減すると約束したのに、現在は削減どころか1割以上も増加。なかでも深刻なのがオフィスや家庭からの排出量で、3割以上も増えている。
 省エネルギーを心がけようと思っても、一年中快適な室温に調整できて、蛇口をひねればお湯が出るという便利な生活は簡単には変えられない。マンション暮らしの日常生活で、快適さを犠牲にせずに省エネできる方法はないだろうか。
 財団法人建築環境・省エネルギー機構 住宅研究部性能評価部の由本達雄部長は、マンションなど建築物の省エネルギー対策は、建物躯体と設備に分けて考えられるという。
 建物躯体の省エネルギー化は、断熱、気密、防露がポイントになる。各戸で壁の内側に断熱材を貼るという方法もあるが、大規模修繕のときに壁全体を外側から断熱パネルでおおってしまうのがおすすめだそうだ。外断熱効果で、温度差が少ない居心地のいい室内環境が実現できて、冷暖房費が節約になるうえに、結露も少なくなる。そこまで予算がとれないという場合は、屋上と西側だけでも施工するとずいぶん違うそうである。
 各戸の専有部分については、開口部からの熱の出入りを減らし、断熱性を高める工夫をしたい。具体的には、窓を二重サッシにする、ガラスを複層ガラスに取り替える、カーテンやブラインドを設置する、ベランダに植栽を置いて夏の日射などをさえぎる、などがある。
 複層ガラスは、2枚以上の板ガラスの間に空気やガスを封入して断熱性を高めたもので、特殊な金属膜をコーティングして遮熱性を持たせた遮熱複層ガラス、中空にブラインドを組み込んだブラインド内蔵複層ガラス、間を真空にして厚さを抑え既存のサッシがそのまま使える真空ガラスなども商品化されている。
 また、ブラインドを取り付ける場合には、室内側よりも窓ガラスの外側に取り付けて、日射が室内に入る前にさえぎったほうが効果的に断熱できる。より手軽な方法には、夏場の昼間はレースのカーテン、冬場の夜間は厚手のカーテンを閉めるという手もある。レースのカーテン1枚だけで日射の侵入を2〜3割カットできるというから、上手に使って冷暖房の省エネルギーを図りたい。
 省エネ法で省エネ措置の届出(下コラム参照)対象となる設備には、空調、給湯、機械換気、照明、昇降機があるが、マンションの共用部分にかかわるのは照明とエレベーターだ。これらは、更新時期が来たら省エネルギー仕様のものに取り替えたい。エレベーターの交換は、費用も工事も大掛かりになるが、最近のものは省電力化が進んでいるので、ランニングコストをかなり低く抑えることができる。
 家庭の中では、暖房と並んでエネルギー消費が大きい給湯の設備に注目したい。
 省エネルギー型の家庭用給湯器には、電気を使うタイプとガスを使うタイプがある。電気を使うタイプは、ヒートポンプ式で大気中の熱を利用してお湯を沸かすため、電気使用量を大幅に軽減でき、しかも割安な夜間電力とセットになっているので、毎月の電気代を低減することができる。また、冷媒がフロン系ではなく二酸化炭素なので、オゾン層を破壊しないという点からも環境に配慮しているといえる。
 ガスを使うタイプには、大気中に放出されていた排熱を回収して利用する潜熱回収型と、ガスを燃料にして自家発電すると同時に発生する熱でお湯を沸かして溜める家庭用コージェネレーションを採用したものがある。潜熱回収型は、熱効率が高く、そのぶんガスの使用量も少なくて済む。また、コージェネレーションシステムを採用したものについては、家庭で発電するため、送電時の損失が少なく、同時に排熱も利用するのでエネルギーを無駄なく利用できる。
 省エネルギー型の給湯器については、国や自治体が補助金制度を設けている場合があるので、更新にあたって検討してみる価値はあるだろう。

▲家庭部門のエネルギー消費の動向





「建築物に係る省エネ措置の届出義務」というのをご存知だろうか。省エネ法の改正で、一定規模以上のマンションの所有者は、大規模修繕を行う前に、省エネ措置の届出を行わなければならないことになった。

 2005年に省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)が改正され、06年4月1日から施行された。運輸部門、民生部門(オフィス・家庭)のエネルギー消費が大幅に増加している現状を踏まえ、輸送に係る省エネ措置、工場・事業所および住宅・建築分野における対策が強化されている。
 マンションにかかわる改正点として、延床面積が2000m以上の建築物は、住宅であっても、新築・増改築、大規模修繕等のときに、省エネ措置を所管行政庁に届け出ること、その後も定期的に(3年ごと)省エネ措置の維持保全状況を報告することが義務づけられた。省エネ措置が著しく不十分な場合は、行政から指導を受ける。
 大規模修繕等というのは、「外壁、窓等の大規模の修繕・模様替え、空気調和設備等の設置または大規模の改修」であり、外壁の塗装や亀裂の補修、屋上防水層のみの追加などは対象外だが、下地材も含めて躯体の補修を行う場合や、2基以上のエレベーターを交換する場合などは対象になる。
 届出義務者は建築物の所有者で、分譲マンションの場合は管理組合である。届出先は、建築主事を置いて建築確認を行っている都道府県など。なお、2000u未満であっても、建築物の所有者は省エネ措置を講じるよう努めることが求められている。

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