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あなたの家族が、友人が、あるいは会社の同僚や上司が、目の前で不意に倒れたとしたら、あなたはその人の命を助けるすべをもっているだろうか。 1分1秒を争う救急救命の措置はどのように行えばよいのか、 そして措置を行うためにはあらかじめどんな備えが必要なのか。 東京救急協会の茂呂浩光氏にお話を伺った。
 さっきまで元気だった人が、突然あなたの近くで倒れたとしたら? 対処の仕方も判らないままにおろおろしているうちに時間が過ぎ、救急車の到着した頃には、すでに手遅れという状態にもなりかねない。
  「成人の場合、突然死の原因として心停止というのが、非常に多いのです」
  そう語るのは東京救急協会の茂呂浩光指導課長だ。
  「倒れている人を見かけたら、まず、その人の肩を叩きながら声をかけてください。反応がない場合は、大声で助けを呼びます。人が集まって来たら119番通報を依頼し、AEDという、心臓に電気ショックを与える器具が近くにあれば持ってきてもらいます」
  その後で、心肺蘇生を行うことになる。心肺蘇生とはどのようなことを行うのか、概略をまとめてみよう。
  最初に行うのは気道確保である。舌が喉を塞がないようあご先を天井に向ける。こうすると空気の通り道ができる。次に、胸が上下しているかを見、耳で呼吸をしているかを聞く。同時に頬を口と鼻に近づけ吐息を感じる。この結果普段通りの息をしていない場合、心肺停止と判断する。その際は、人工呼吸が必要になる。1秒かけて2回、軽く胸がふくらめばそれでよい。次が胸骨圧迫(心臓マッサージ)。これは胸の真ん中を30回押す。ポイントは、強く、速く、絶え間なく、である。強くというのは4、5cmの深さに胸が沈むのが目安。目的は胸骨と背骨で心臓を挟んで血液を押し出すためで、軽くやったのでは意味がない。休まず30回押したら、再び人工呼吸を行う。この作業を繰り返していく。
  AEDが到着したら、直ちに使う。まず、ふたを開き電源を入れる(ふたを開いただけで電源の入るタイプもある)。あとは自動的に流れる音声メッセージに従い、次のような措置を行う。①素肌に電極パッドを貼り(位置は図示されている)、コネクターを繋ぐ(最初から繋がれているタイプもある)。②自動解析が始まる。この間は傷病者には触らない。③指示が出たら、ショックボタンを押す。以上だが、これですぐ回復するわけではないので、再び心肺蘇生を繰り返す。そうしているうちに息を吹き返すケースが多い。

 心肺蘇生中に救急隊が到着すれば、その指示に従えばよいのだが、通常、通報してから救急車がその住所に到着するまでに、6分30秒かかるといわれる。しかも、それはあくまでも住所までのこと、もしそこがビルの上層階であれば現場まで到着するのにさらに時間がかかってしまうこともある。ところが、人間は心臓が停止してから、1分間措置が遅れる毎に救命効果が7〜10%ずつ低下してしまう。だからこそ、早急に心肺蘇生を行う必要がある。
  さて、実際そうした現場に居合わせた場合、あなたにはいま述べたような措置がテキパキと行える自信があるだろうか。大半の方はノーと答えるに違いない。では、どうすればいいのか。「救命講習を受けること」それが答えだ。
  「知識だけでは駄目です。訓練してはじめていざというときに役に立つのです」と茂呂氏は言う。
  救命講習は全国各地で受けられるが、申し込み方法は場所によってそれぞれ異なるので、最寄りの消防署などに問い合わせてほしい。ここでは触れられなかったが、講習では気道異物除去、止血等の適切な方法も教えてくれる。
  大切な人が、もし傍で倒れたら、あなたはその人の命を救うことができるだろうか? 救命講習、受けておくべきだろう。

▲倒れている人がいたら(提供:東京救急協会)





▲東日本サービス情報センター
 もしあなたがエレベーターに閉じ込められるなど、緊急事態に直面したらどうしたらいいのだろうか?
  まずは、エレベーターの操作盤についている非常ボタンを押すことだ。これは、建物の管理室につながっており外部と連絡を取ることができる。
 また、エレベーターの保守契約(遠隔監視契約付き)をしている場合、サービスセンターへつながり、エンジニアが派遣されるようになっている。
 実際の救出作業としては、エレベーターが床の近くに止まっているのであれば、ホール側から専用の開錠キーを使用し、エレベーターの扉を開いて救出する。乗り場近くにエレベーターが止まっていない場合は、手動でエレベーターを扉近くまで移動してから救出することになる。


公共施設にはAEDを備えているところが増えてきた。しかし、いざというときには、どこにあったかと焦ることになりかねない。よく通る場所では、普段からAEDの設置場所を確認しておきたい。

 AEDは、Automated External Defibrillatorの略で、日本語にすると「自動体外式除細動器」となる。心停止状態にある心臓に電気ショックを与え、正常な状態に回復させるための装置である。心停止というと心臓が完全に止まってしまった状態を想像しがちだが、実はその場合にはもう電気ショックは効かない。突然の心停止の場合、心臓は小刻みにけいれんしているか、または、ものすごい速さで打っている。そのため心臓がポンプとしての役割を果たさなくなっているのである。AEDの効果があるのは、このような状態のときだ。この状態が続くのは、ほんの数分間しかない。本文でも述べたように人工呼吸と胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行うことで、これを長引かせることが可能になるわけだ。
  最近では、駅や空港、学校、デパート、図書館など、人が多く集まる場所にはAEDが設置されるようになってきた。また、企業やマンションなどでも導入されるケースが多くなってきているので、見たことのある方も多いだろう。通勤、通学等でよく通る道であれば、普段からどこに設置してあるか、その場所を確認しておくとよいだろう。

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