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FUTURE DESIGN 2008 未来エレベーターコンテスト FUTURE DESIGN 2008 未来エレベーターコンテスト
概要・募集要項 審査員紹介 受賞作品紹介 過去の応募作品
2007年概要
最優秀賞
優秀賞
参加作品
 
早稲田大学 古谷誠章研究室 偶発的な出会い/発見を誘発する『立体マーケット』
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“移動”の今後


 超高層建築の台頭により、エレベーターの高速化が必要となっている。しかし、最高速を競い合うことには限界もあるのではないだろうか。移動装置の高速化により、移動はポイントとポイントを結ぶものとなった。そこには時間の有効利用として切り捨てられた余白が内在する。より効率化された移動を行うのみではなく、同様に移動が主な目的であるにもかかわらず、余白を発見し多様なアクティビティを創出する移動方法を提案する。それは従来のような長距離の高速度移動を可能とするだけではなく、ゆっくりだが計画的にも偶発的にも利用可能な「道」のような新たな移動装置を考える。

 
“道”とは


 潤いのある生活を送る上で不可欠なものであり、移動を司るパスとしての機能を超えた多様な活動が展開される重要な場として現在もある。
 そこで生じる日常/非日常の出来事が生活に変化をもたらし充実した暮らしを可能とする。
 そういった動的な状態を呈する、従来にない新しい「道」はコンパクトに集約される都市形態のなかでこそ、ますます重要な位置を占めることになるだろう。

 
“道”としての移動装置による効果


 エレベーターなどの移動装置は利用者規模が大きくなるほど、より全体性を持つことが重要になり、現在では電車などの時刻表的な概念を導入せざるを得ない。しかし、インフォメーション・テクノロジーの進展は、このような問題を解決し、新たな移動装置の可能性を垣間見させてくれる。または、移動装置自体を街の共有財産としながらも、よりパーソナルなものに変革していくこともITの進展によって可能となることだろう。
 ITは時間経過と共に全体的なものから個人的なものに、そしてよりインタラクティヴなものへと変遷しつつある。このインタラクティヴな状態は、こちら側からのアクションのみならず、周囲の環境からの働きかけによるところが大きい。
 都市機能と人が高度に集積するコンパクトシティにおいて、移動装置の利用者規模は必然的に大きくなる。すると定時的なものが要求されるが、ITの進展によって、これをより個人的なレベルへと引き下げることが可能となろう。
 例えば、利用者一人ひとりが移動装置を制御する端末を持っていたとしよう。これは、現在のエレベーターの呼び出しボタンの進化形と思ってもらえばよい。規模が大きい分だけ、呼び出しには多少時間がかかるかもしれないが、多数の端末からの呼び出し情報から計算された到着時間が表示されるため、現在のようなストレスは軽減され、また、有効な時間の使い方ができるようになる。到着時間の予約もできるようになるかもしれない。そして、呼び出されたものは、移動する都市機能と乗り合わせタクシーのようなものである。移動都市機能はカフェ、コンビニ、本屋などである。そこから立ち去る際も、あらかじめ戻る時間を決めておくことも可能である。つまり、偶発的な利用のみならず、電車の乗り換え案内のようにそれぞれの場所での所要時間をインプットしておけば計画的に潤滑な移動も可能となる。

 
Ship


 建物の中や道路、水上などをシームレスに繋ぐ新しい半自走式のパーソナルな移動装置である。街のインフラとしてリニアモーターが地上や垂直方向に整備され、そこをShipが移動する。Shipは数種類あり、個人用、複数人用のShipや移動飲食店(カフェ、レストランなど)を形成するためのキッチンShipなどがある。
 Shipは水上マーケットのように必要に応じて集合/離散し、独自の店舗を形成していく。また、集合は他の店舗を呼びよせ、一大マーケットを形成することもあるだろう。そういった様相を呈することが、移動装置を街路に近づけるものとなると考える。
 Shipの使用法は「厳密なスケジュールによる運行」と「Shipからのアクションによる運行」の2つに大別される。スケジュール運行は、出発時刻と到着時刻、経由地などを入力しておくことで、運行状況や所要時間などの情報を与えてくれると共に、すぐ近くまで迎えにくることになる。これに対し、アクション運行は、乗車している人のデータベースから好みや趣味などに併せたルートや、近くで行われているイベントや面白そうなものを案内してくれるものである。
 ITの進展により、移動装置をよりパーソナルなものへと変革することで、明確なルートを持たないシームレスな移動が可能となる。例えば、急いでいる人ならば、出発時間と到着時間をインプットすることによって、目的地により早く到着するようなShipを提案してくれる。これは現在のサービスのようなものである。もしくは、目的を持たずに偶然近くを通ったShipに乗り込みオートドライブとすることで、Ship側からその人の趣味や嗜好に似合った場所などの情報を与えてくれ、まるで道を歩いていて偶然、面白そうなイベントに遭遇するような体験をもたらせてくれる。
 それは現在の目的的な移動のみならず、“回り道”を積極的に行うようなゆったりとした時間の使い方がShipの提案によってなされる、“都市を歩き回る”ものに似た体験をもたらす新しい交通の形を与えてくれる。

 
審査員コメント

今村創平氏
自分たちそれぞれがユニット化され、それが自由に集まるという構想だろうか。現代的なテクノロジー観を反映しているともいえるし、お祭りの屋台と同じではという感想も持てる。思い描いているイメージは何となくは伝わるのだが、プレゼンターションからは明確な輪郭が受け取れないところがもどかしい。

四方幸子氏
判りにくいという難点はあるが、全体的には動的な感じがして面白い。いろいろ機能が接続されていてユートピア的な感覚も感じられる。自然発生的なものとは別のシステムによるマーケットはありうると思うし、それがITを使うことで可能になれば、新しい可能性が開けるかもしれない。

 

横矢真理氏
どうやって動くのか判らない。

原田豊氏
常にお店が浮遊しているので、どこにお店があるのかを、検索システムでもないといつまで経ってもそこにたどり着くことができないのではないか。