施設設備のリニューアルは、エレベーターに限らず、単に老朽化したものを新しいものに取り替えるだけはありません。
一般的にリニューアル前のエレベーターは、施設の裏方にあるのですが、リニューアル後は少し建築空間の全面に出てくるケースが多いのです。それは、エレベーターを単に上下移動のハコと考えるのではなく、エレベーターに乗る行為そのものが楽しい体験になること、すなわち利用者のホスピタリティーを重視するからです。
エレベーターは必ず人が通るところにあるので、エレベーターが変わると施設のイメージは大きく変わることになります。
たとえば今回のリニューアルのポイントの1つとなった色もそうです。小原院長指定でピンク色に変わりましたが、これでエレベーターの存在感が出てきますし、通路全体が明るくなります。また、エレベーターの安全の意識が高まる中、「停電時自動着床装置」や遠隔監視保守システムの「スーパーTERM」が装備され、安全の充実が図られたことは、このリニューアルの大きなポイントになっています。
建築の視点から見ると、エレベーター前の照明を変えると、エレベーターの存在がさらに増します。今後は、エレベーターにも金属的な素材だけでなく、自然素材を使って利用者に癒しをもたらすリニューアルの方向性も出てくるでしょう。
さらに産院ならではアイデアとしては、エレベーター内のモニターに妊婦さんに役立つ情報などが、さりげなく表示されていると喜ばれるかもしれませんね。
新生児にとっては、人生の最初に乗るエレベーターなので、最新の機能や利便性だけでなく、人に優しい演出が重要になってくると思います(談)。
■隊長 篠ア正彦
東洋大学工学部建築学科助教授。 1968年東京都生まれ。
専門分野は、建築計画と環境行動研究。特に、都市での生活様式と住居、施設の関係を研究している。現在、ベトナムにおける集合住宅の調査研究を進めている。
■隊員 山田花子
篠崎先生の研究室でベトナム建築を学ぶ。趣味はピアノとフルート。 |
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