 私は以前から建物の内と外の中間領域、インターフェースに心ひかれていました。日本の伝統建築でいうと、それは縁側や土間ということになるのでしょうが、現代においては二つの側面から考えられると思います。第一は内部から外部へと開かれる空間であり、もう一つは内部に外部的な要素を取り入れるという建築のあり方です。
前者の事例として私が手がけた駅舎の一つを紹介し、後者の事例として都市の中の住宅を取り上げてみたいと思います。
埼玉県の新都心の玄関口となる「さいたま新都心駅」は、JR京浜東北線の与野、大宮間に開業した新駅です。駅周辺にはさまざまなデザインの建物が建築中であり、それらと対立する存在にしたくなかった。そこで基本コンセプトでは、形があってないような空気、風、雲をイメージしたデザインを発想したのです。
新駅は二つのプラットホームを持つ駅舎と、線路の両側に広がる新都心を結ぶ2階部分の自由通路からなっています。駅舎と自由通路は「波のシェルター」と名付けた、柔らかな翼のような屋根で全体を包み込む設計としました。写真でも分かる通り、柱で支えるのは開いた部分だけ。柱のない広々とした自由通路の脇には、利用者が待ち合わせしたり、休めることができるように備え付けのベンチを用意しています。流線形の屋根部分は透明ガラスを用い、光や風、空気が貫通するようなイメージを狙っています。駅舎そのものが一種の広場となり、鉄道と街のインターフェースになればと考えています。 |