FUTURE DESIGN and NAVI
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早川邦彦建築研究室 代表 早川 邦彦
 
 
栗野岳の麓の雄大な自然の中に置かれた「霧島アートホール」。装置体としての機能性を追求し、内側にはガリバリウム鋼折板、外側にはアルミニューム押出材が採用されています
私は環境から発想する建築をテーゼとし、人々の思想や生活を含めて形にしていきたいと考えています。日本の建築の場合、明日は不意に街並が消失しているような危険性を抱えている地域もあります。その際は敢えて街並に異質なデザインを放り込み、都市景観を活性化させる起爆剤になるような建築も提案します。
ここで紹介する2例は、大自然と都市という異なる環境がテーマです。
その一つが自然環境との融合を志向した「霧島アートホール」。霧島地域の自然を生かした文化ゾーンの形成を目指す「霧島アートの森」の中核施設で、ゲート機能を併せ持つ美術館として想定されました。
 
主空間ゾーンは展示室、多目的室、カフェ、ミュージアム・ショップなどで構成されています。各機能の仕切りはガラス・スクリーンが採用され、厚い壁で囲まれた密室的な展示空間をもつ従来の美術館とは異なる開放的な建物となっています
写真/北嶋俊治
私が最初に敷地を訪れたのは1995年の晩秋でした。栗野岳の麓で標高720mの高原にあり、桜島が遠望できる敷地に立ったとき、シンプルな佇まいで、美しく雄大な景観に開かれた美術館にしたいと思いました。そして、自然と対比的な装置体のようなものをイメージしたのです。

ガラススクリーンの向うにジョナサン・ボロフスキーの大きな「男と女」の像がまず目に入り、その背後に桜島が遠望できる仕掛けとしています。アートが展示された”部屋“に入るのではなく、アートが置かれた”環境“に入っていくと言っていいでしょう。

エレベーターも設けていますが、壁で囲った空間ではなく、あたかもオブジェのようにアート空間と調和するスケルトンにしました。

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