

2009/3/2 リリース
エレベーターはマンションで暮らす全員が利用する大切な乗り物です。
そのエレベーターをリニューアルする時、どんな事に気をつければ良いのでしょうか・・・。
連載第4回の今回は、平成21年9月から施行される建築基準法の一部改正に伴う『新しい安全基準』を取り上げました。
エレベーターを利用するすべての人に関係のあるこのテーマを、マンション管理組合に理事デビューしたばかりのヨシコさんが、昇降機業界の大ベテラン・やっさんに徹底コーチを受けました。
やっさん
昇降機業界・某社に勤務する大ベテランかつ御意見番。特にリニューアル分野に関しては業界の生き字引きを自他ともに認める。でも、ちょっと涙もろい一面も。
ヨシコさん
マンション管理組合に理事デビューした3△才。ギモンは徹底解明したい知性派。
でも、ちょっとあわて者の一面も。
今回の改正は、何故おこなわれたのですか?!
今回のテーマは苦手な法律関係というか、非常に難しい気がしていて・・・。まずはじめに、なんで改正になったのか、その理由や背景などを教えてください。
過去にあった事故や災害の教訓をもとに改正がおこなわれたのです。
平成18年6月、東京都港区で起きた事故や平成17年7月の千葉県北西部地震において多くのエレベーターの利用者が閉じ込められた事など、過去の事故や災害の教訓をもとに改正がおこなわれました。それらの事故や災害を教訓にして、同じ悲劇が二度と起こらないための、とっても大切な改正なのです。
『法律がちょっと変わっただけなんだな・・・』などと、決して思わないでくださいね。
改正のポイントは何ですか?
大きく2つです。ひとつめは戸開走行保護装置、ふたつめは予備電源を設置した地震時等管制運転装置、この2つの設置が義務づけられます。
戸開走行保護装置から説明しましょう。
戸開走行保護装置とは、従来からの安全装置に追加される、エレベーターの扉が開いたまま走行してしまうことを防止する装置です。
エレベーターには、エレベーターを動かしたり止めたりする「駆動装置」と、エレベーターの各種機能を制御する「制御器」があるのですが・・・、今回の新しい戸開走行保護装置では、駆動装置、制御器のどちらも、より安全になるように装置が追加されたのです。
ヨシコさん、下の” 図1”を見てください。駆動装置にも制御器にも戸開走行を防止する安全装置が追加されているのが分かりますよね。
制御器には、安全性向上のため、戸開走行を検出してエレベーターを制止する安全回路などが追加され、駆動装置では、ブレーキの二重化などがおこなわれ、万全を期しているのです。
図1
素朴な質問ですが・・・ホントのところ、今までは安全ではなかったのですか?
今までのものが、さらに安全になったとお考えください。
現状では、エレベーターのかご戸などがすべて閉じたあとでなければ、運行を開始できない仕組みが導入されています。
今回の改正では、今までのものがさらに安全になったとお考えください。また万全を期すために、国土交通省大臣の認定も必要とされるんですよ。
地震時等管制運転装置の義務化についてですが・・・、これは以前聞いた、最新の地震対策のことでしょうか?
そうです!ヨシコさん。この連載の第2回で特集した、最新の地震時対応機能を思い出してください。
地震には、初期微動のP波と本震のS波があること。
地震はなるべく早く検知した方がそのあとの対応もとれるので、初期微動を感知するP波感知器付地震時管制運転装置の方がより安心ですよ・・・という、お話をしましたよね。
そうです、あのP波感知器付地震時管制運転装置が義務化されるということなのです。
ヨシコさん、“図2”を見てください。今回のポイントは、P波感知器付地震時管制運転装置に加えて、「予備電源」を設けた「地震時等管制運転装置」であることが必要、とハッキリと規定されていることです。何故予備電源が必要かというと、停電など電源供給に問題が生じた場合も、予備電源があることで、エレベーターの中への閉じ込めを防止することができるからなんですね。
東芝エレベータでは、この予備電源として『停電時自動着床装置(トスランダー)』が対応しています。
図2

■当改正は平成21年9月28日を以て施行となります。
新設のエレベーター及び、既存のエレベーターの更新に関するもので、既存物件は含みませんが、国土交通省では、既存物件の当改正への適合も促進していく考えです。なお、既存物件で当改正に対応していない場合は、法定検査の際に既存不適格となります。


